帯状疱疹後
帯状疱疹とは、身体の左右どちらか一方に、ピリピリと刺すような痛みと、これに続いて赤い斑点と小さな水ぶくれが帯状に現れる病気です。
帯状疱疹は、身体の中に潜んでいたヘルペスウイルスの一種、水痘・帯状疱疹ウイルスによって起こります。水ぼうそうにかかったことのある人なら、誰でも帯状疱疹になる可能性があります。
通常、帯状疱疹の痛みは皮膚症状が治るにつれて治まっていき、70~80%の方は1ヶ月以内に自然治癒すると言われています。ですが、残りの20~30%の方はその後も痛みが続く場合があります。これを「帯状疱疹後神経痛」といいます。
施術が遅れるなどの理由で増殖したウイルスが皮膚へと移動する際に、通り道である神経を傷つける場合があります。この時、目や耳などの神経が損傷を受けると視力の低下・難聴など起こったり、運動神経が損傷を受けると腕が上がらない・麻痺・排尿障害などの原因となったりする恐れがあります。
【帯状疱疹によって起こる全身的な症状】
頭痛
発熱
視力の低下
難聴
腕が上がらない
麻痺
排尿障害
など
帯状疱疹後に対する当院の考え
帯状疱疹は、加齢、疲労、ストレスなどが原因で免疫力が低下すると、背骨に近い神経に潜伏していたウイルスが再び活性化し、症状が現れる病気です。
現代社会ではストレスを感じることが多く、交感神経が過剰に働くことがあります。そのため、心を鎮める副交感神経を優位に働かせる方法を積極的に取ることが大切です。
副交感神経を優位に働かせ、自律神経を整える方法には、ストレッチや運動、生活習慣の改善があります。
また、マッサージや鍼灸施術を受けることで、血流が改善され、体温が上昇し、筋肉の緊張がほぐれるため、体がリラックスした状態に近づくことができます。
帯状疱疹後を放っておくとどうなるのか
帯状疱疹は、加齢、疲労、ストレスなどによって免疫力が低下すると、背骨に近い神経に潜んでいた水痘・帯状疱疹ウイルスが再び活性化し、症状が現れる病気です。
早期の施術が重要で、施術が遅れると、発疹が治まった後に【帯状疱疹後神経痛(PHN)】が残る可能性があります。
PHNの症状は人によって異なりますが、痛みは激しく、「焼けるような」「ズキンズキンとする」「刺すような」「電気が走るような」「鋭く引き裂くような」感じが多いとされています。皮膚感覚が鈍くなり、触れるだけでも痛みを感じることがあるため、日常生活に支障をきたすことがあります。
また、帯状疱疹の発症部位によって特徴的な合併症が生じることもあります。
例えば、鼻の周囲に皮膚症状がみられた場合には目の症状を伴う合併症が生じやすく、視力低下や失明につながることもあります。
さらに、顔面神経麻痺を伴う「ラムゼイ・ハント症候群」と呼ばれる合併症もあり、めまいや耳鳴り、難聴などを引き起こすことがあります。
帯状疱疹後の軽減方法
帯状疱疹後神経痛は、主に薬物療法を用いて施術されますが、完全に痛みを取り除くことは難しい場合があります。
しかし、日常生活の工夫によって、痛みと上手に付き合っていくことができます。
【日常生活の注意点】
・好きなことに熱中するか、外出するなど、痛み以外のことに注意を向けること。
・入浴して体を温めること。
・身体を冷やさないように気を付けること。
・疲労やストレスをためないよう、十分な睡眠を確保すること。
・患部を刺激しないこと。(患部にサラシなどを巻いて衣服がこすれないようにするなど)
鍼灸やマッサージは、筋肉の凝りをほぐし、血流の改善に効果が期待できます。
これにより、自律神経のバランスを整え、体がリラックスしやすい状態に導くことができます。
帯状疱疹後の軽減に効果的な当院の施術メニューは?
前述の通り、帯状疱疹後神経痛は疲労やストレスなどから免疫力が低下したり、自律神経が乱れてしまうことで起こります。
鍼治療によって、交感神経の活動を抑制し、副交感神経の働きを促進して、自律神経のバランスを整えることが可能です。また、体質改善や免疫力の向上も期待できます。
当院では部分鍼や全身鍼、そして全調整鍼といった鍼治療メニューを提供しています。
「全調整鍼」では、以下の2つのアプローチを行います。
1.体内の気の流れを整え、身体の根本的な調和を取り戻すアプローチ
2.不調の原因となる部位の血液循環を改善し、身体全体を調整するアプローチ
これによって、カラダの状態を土台から整えることができ、元気な状態を保つことが出来るようになります。
その施術を受けるとどう楽になるのか
帯状疱疹後神経痛の軽減には、日常生活でのストレス軽減と自律神経の調整が非常に大切になります。
自律神経は、身体と心の活動を調節するための重要な要素で、主に2つの要素、すなわち「興奮モード」の交感神経と「お休みモード」の副交感神経から成り立っています。
昔ながらの生活では、日中は活動し、夜は休息するといった自然なリズムに従っていました。しかし、現代社会では夜遅くまで活動することが多く、この生活スタイルは自律神経の乱れを招く要因となっています。
自律神経の乱れが帯状疱疹後神経痛を引き起こす可能性があるため、自律神経のバランスを整えることが大切です。
当院では、全調整鍼などの鍼治療を通じて、交感神経の活動を抑制し、副交感神経の働きを促進するアプローチを行います。これにより、帯状疱疹後神経痛の症状の軽減だけでなく、体質の改善や免疫力の向上も期待できます。
軽減するために必要な施術頻度は?
全調整鍼は体質を変えるための施術であり、日常的に行うのは逆効果です。週に1回の施術を6〜12ヶ月間継続することがお勧めです。
また、日々の生活環境や体調によって体のバランスが変化するため、1年目を過ぎても定期的な施術を受けることが望ましいです。
部分鍼や全身鍼は、自律神経や免疫システムに働きかけて筋肉の緊張を和らげます。
これによって血液やリンパ液の循環を促進され、自然治癒力の向上を助けるとされています。
そのため、症状が強いうちは週に2〜3回の施術が必要となります。
お身体の状態に合わせて、適切な施術スケジュールを調整していきましょう。